ホスティングとは
ホスティングとは、インターネット上で利用できるサーバをレンタルするサービスのことです。一般的には、インターネットサービスプロバイダなどのベンダーが提供し、ユーザーは必要に応じて契約して利用します。
レンタルといっても、ユーザーがサーバを自社に設置するわけではありません。実際には、遠隔地にあるサーバにインターネット経由でアクセスして利用します。そのため、サーバの物理的な設置・管理・保守もサービスの一部として提供されます。
ホスティングサービスの利用形態
ホスティングは共用ホスティングと専用ホスティングに分けられます。共用ホスティングはバーチャルウェブとも呼ばれ、複数のユーザーが1つのサーバを利用する形態です。一方、専用ホスティングはインテグラルとも呼ばれ、ユーザーが1つのサーバを独占的に利用できる形態を指します。
共用ホスティングは低価格で利用できる反面、制約が多いのが難点です。機能が制限されているほか、あまり大きな負荷を掛けるとほかのユーザーに悪影響を及ぼしてしまう恐れがあります。
対して、専用ホスティングは自由に利用できます。自社で使いやすいようカスタマイズも可能です。ただし、共用ホスティングより高額になるケースが多く見られます。
ベアメタルとは
ベアメタルとは、OSやアプリケーションなどのソフトウェアが一切インストールされていない状態の物理サーバを指すIT用語です。本来「むき出しの金属」という意味の言葉で、IT分野では初期状態のサーバやHDDを意味します。
ベアメタルは、ネットワークや管理ツールは整備されていますが、OSすら入っていないため、単体ではすぐに利用できません。初期状態から自由に環境構築ができるため、性能重視のシステムや特殊な構成を必要とするケースで活用されます。
また、「ベアメタル型ハイパーバイザ」という仮想化技術でもこの言葉は使われます。これは、ホストOSを介さずにハードウェア上で直接ハイパーバイザ(制御プログラム)を動かす方式で、仮想マシンのパフォーマンスを最大限に引き出せるのが特徴です。
ベアメタルクラウドとベアメタルサーバーの違い
ベアメタルには2つの提供形態があります。それぞれの特徴と違いを理解しておくことで、自社に合った導入方法を検討しやすくなります。
- ■ベアメタルクラウド
- ベアメタルクラウドはクラウド上で物理サーバを提供するサービスのことです。仮想化サーバを貸し出すサービスと区別するためにベアメタルクラウドと呼ばれています。
- ベアメタルクラウドではすでにサーバが準備してあり、それをユーザーに割り当てるだけなため、すぐに利用開始できます。オンデマンドなサービスと言えるでしょう。物理サーバを操作するコントロールパネルが提供される点や、料金体系が柔軟なのが特徴です。
- ■ベアメタルサーバ
- ベアメタルサーバはユーザーが申し込んでからセットアップが行われるため、使えるようになるまで時間を要します。ベアメタルクラウドほど操作の自由度は高くなく、料金体系も月額料金制であるなど固定的です。
ホスティングとベアメタルの違い
ホスティングとベアメタルクラウド・サーバはどちらもサーバをクラウド上で貸し出すサービスです。しかし、両者には以下の違いがあります。
- ■ホスティング
- ●提供されるのは物理サーバ
- ●柔軟性や拡張性に劣る
- ●低価格
- ●初期費用は基本無料
- ■ベアメタルクラウド・サーバ
- ●物理・仮想サーバどちらでも可能
- ●柔軟性や拡張性に優れる
- ●高額
- ●初期費用がかかる
基本的に多くの面でベアメタルクラウド・サーバのほうが優れています。ただし価格は高いため、コストとメリットのバランスを考慮して選ぶことが大切です。
ホスティングに向いている利用形態
ホスティングは中小規模での利用に向いています。具体的には、ブログや企業HPの運営に適しているでしょう。ホスティングは自由度が低いため、高度なことはできません。しかし、中小規模の利用であればあまり高度な機能が必要ないため困らないでしょう。
その分料金は安く済むため、気軽に利用を始められます。サービスによっては月額100円から始められたり、テンプレートが搭載されていてすぐに利用できたりします。
一方、ベアメタルは大規模な利用に適したサービスです。アプリやソーシャルゲームの運営など、高度な機能や設定を必要とする利用にも耐えられます。また、変化の激しいECサイトの運営や、顧客データの分析などにも向いています。
まとめ
ホスティングは手軽で低コストなサーバレンタルサービスで、中小規模のWebサイトやブログ運営に向いています。一方、ベアメタルは初期状態の物理サーバを自由に構築できるため、性能や柔軟性を重視する大規模システムに適しています。導入目的や予算に応じて選択しましょう。