アクセスログとは
アクセスログとは、システムやWebサイトへのアクセス履歴を記録したデータです。ユーザーの接続日時やIPアドレス、閲覧ページなどを取得し、不正アクセスの検知や業務改善に活用されます。これらのデータを適切に管理・分析することで、セキュリティ対策の強化や業務運用の効率化につながります。
アクセスログの重要性と「確認方法」
アクセスログは、サーバーの種類や用途によって取得できる情報や活用目的が異なります。例えば、ファイルサーバーでは「誰がどのファイルを操作したか」、Webサーバーでは「どのページにアクセスされたか」などが把握可能です。
以下では、ファイルサーバー・Webサーバー・Windows Serverのアクセスログの確認方法をそれぞれ紹介します。
ファイルサーバーのアクセスログ確認方法
ファイルサーバーには機密情報や個人情報が含まれるため、アクセス履歴の記録・監視はセキュリティ対策として重要です。ここでは、ファイルサーバーのアクセスログを確認する方法を紹介します。
各端末からアクセスログを個別に取得する
ファイルサーバーにアクセスした履歴は、従業員のパソコンからも確認可能です。手動でログを取得し保存する方法ですが、全従業員が個別に対応する必要があり、業務負担が増大するでしょう。さらに、手作業のため記録漏れや不正確なデータが発生するリスクも考慮しなければなりません。特に、アクセス管理の厳格化が求められる企業では、一元的にログを管理できるシステムの導入が有効です。
ネットワークパケットをキャプチャする
ファイルサーバーと端末間の通信をキャプチャし、アクセスログを取得する方法です。取得できるログ情報は、アクセス日時、接続元・接続先のIPアドレス、ユーザーアカウント名、クライアントOS、対象リソース・オブジェクト名などです。Linuxを含む多様な環境で利用できますが、専用ツールの導入と専門知識が必要なため、管理できる担当者が限られる点が課題です。
Webサーバーのアクセスログ確認方法
Webサーバーでは、アクセスログを確認することで、ユーザーの接続情報(アクセスIP・URLなど)を把握できます。これらのログを活用すれば、サイトのパフォーマンス分析やセキュリティ対策、運用の最適化に役立ちます。ただし、解析には特定の知識が必要なため、対応が難しい場合は専門サービスの活用も検討するとよいでしょう。
Windows Serverのアクセスログ確認方法
Windows Serverでは、「イベントビューアー」を使用してアクセスログを確認できます。「Windows ログ」の「セキュリティ」や「システム」を開くことで、ログオン履歴やファイルアクセスの詳細を取得可能です。特に、Active Directory環境(企業や組織でサーバーを使ってユーザーやPCを一元管理する仕組み)では、監査ポリシーを設定することで、ドメイン全体のアクセス履歴を記録・管理できます。
ただし、イベントビューアーを使った手動確認は、手順が煩雑なうえに見落としのリスクがあります。そのため、サーバー台数が多い企業では課題となりがちです。こうしたログ管理を自動化し、視覚的に把握できるツールも多数登場しています。
なかでも注目されているのが、アクセスログを自動で収集・管理できる「ログ管理システム」です。
- ● 複数サーバーのアクセスログを一元管理したい
- ● 監査や内部統制に対応したレポートが欲しい
- ● 操作履歴を長期保存したい
上記のような課題を感じている方は、ログ管理システムの比較資料をぜひご活用ください。
アクセスログを自動取得できるおすすめログ管理システム
ログ管理システムを活用すれば、手動でのログ収集が不要となり、全従業員のアクセス履歴を一元管理できます。導入コストはかかりますが、業務負担を減らし正確にログ管理できるので、検討の価値があるでしょう。
ここでは、ITトレンドで特に人気の高いログ管理システムを紹介します。
Watchy
- PC1台100円〜で手軽に始められる
- ログ管理〜IT資産管理まで幅広く管理ができる
- 運用の保守点検負担が少ないクラウドサービス
クライアント運用管理ソフトウェア SKYSEA Client View
- 「日経コンピュータ 顧客満足度調査 2024-2025」で1位を獲得!
- 日々のログを収集し、情報漏洩リスクの素早い発見をサポート
- 特定のファイル操作などをログで確認、状況把握をご支援
ez-PCLogger
- 在宅勤務等テレワークでの勤務状況を客観的な記録により把握!
- PC のログオン&ログオフ情報収集に特化したシンプルなツール
- 企業規模や業界問わず、安価なライセンス体系
さらに詳しく知りたい方は、以下の記事でおすすめのログ管理システムを徹底比較しています。ぜひご覧ください。
ログ管理システムの主な機能
従業員数が多い企業や、内部統制を重視する組織では、ログ管理システムの導入が有効です。最適なシステムを選定するには、求める機能を正確に把握し、自社の運用にあうものを選ぶことが重要です。ログ管理システムの詳しい機能について、以下で解説します。
機器・サーバーなどシステム全体のログの取得
ログ管理システムを導入すれば、これまで手作業で取得していたログをシステム側でリアルタイムに一括取得できます。PCやファイルサーバーなどのアクセス履歴を自動的に記録することで、業務負担を大幅に軽減可能です。
ログの保存
ログ管理システムでは、収集したログを一元的に保存・管理が可能です。長期間にわたり蓄積されたログは膨大なデータ量になるため、設定した保存期間を過ぎたデータは自動的に消去される仕組みです。適切な保存・管理により、必要なログを迅速に検索・活用でき、監査対応やセキュリティ対策の強化にも貢献します。
ログの監視
システムを利用すれば、ログをリアルタイムに収集すると同時に、内部・外部の異常なアクセスを監視できます。不正アクセスの疑いや規定に違反したデータのもち出しを検知すると、自動的にアラートが発動し、管理者へ即時通知する機能も備えています。
ログの分析
ログ管理システムを活用すれば、収集したログの分析・活用が可能です。例えば、同一のエラーログが頻繁にある場合、システム運用上の課題が潜んでいる可能性があります。このようにログを適切に分析することで業務改善のポイントが明確になります。
ログ管理システムの選び方
ログ管理システムにはさまざまな種類があります。自社のニーズに適したシステムを選定することが重要です。ここからは、ログ管理システムを選ぶ際の主なポイントについて解説します。
記録すべきログの明確化
ログ管理システムを導入する際には、最優先で守る情報を明確化することが重要です。ログの種類は多岐にわたり、高度な機能を備えたシステムほどコストが高額になる傾向があります。必要性の低いログまで収集すると、コストの増加に加え、サーバーの容量を圧迫し、運用負担が増大する可能性もあります。そのため、自社の管理目的にあった機能をもつログ管理システムを選定するとよいでしょう。
ログ収集のタイミングや保存容量
ログ管理システムは製品ごとにログを収集するタイミングが異なります。特に、情報漏えいやトラブル発生時には、リアルタイムでの収集が求められます。従業員数が多い企業ではそのリスクも高まるため、短い間隔でのログ取得が求められるケースもあるでしょう。しかし、リアルタイムにログを収集すると蓄積するログデータ量が膨大になるため、どの程度保存容量を確保できるか事前にチェックが必要です。
提供形態を選ぶ
ログ管理システムの導入形態は主に「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類です。オンプレミス型 は、自社でサーバーやネットワーク機器を運用するため、コストや管理負担が大きいものの、カスタマイズ性に優れています。
一方、クラウド型は、サーバー管理も提供元が行うため、運用負担が少なく初期費用を抑えて迅速に導入可能です。自社の運用体制やコスト要件に応じて適切な形態を選択することが重要です。以下の記事では、クラウド型のログ管理システムを紹介しているのであわせてご覧ください。
アクセスログを管理する際の注意点
アクセスログを適切に管理するには以下のポイントに注意しましょう。
システムの時計を同期する
ログを正確に取得・分析するためには、システムの時刻を同期して統一させておく必要があります。時刻がずれていると、複数のシステム間でログの整合性が取れず、正確な分析やトラブルシューティングが困難になります。そのため、定期的に時刻同期を行うことが大切です。
ログのバックアップを確保する
不正アクセスやシステム障害が発生した場合に、迅速にログを見直せるよう、ログのバックアップは必要です。ログ管理システムを活用し、一定期間のログを安全に保存することで、証跡の確保や監査対応が容易になります。通常のデータのバックアップ同様に、定期的なバックアップの実施と保管ポリシーの策定を徹底しておきましょう。
ログの取り扱い体制を見直す
アクセスログには、企業の機密情報や個人情報など重要なデータが含まれているため、取り扱いには十分な注意が必要です。例えば、外部のセキュリティ調査会社にログを開示して調査を依頼する際には、秘密保持契約の締結やアクセス権限の厳格な管理など、厳重な管理体制が求められます。
まとめ
従業員数やシステムの規模が大きくなると、ログの手動収集や分析にかかる負担も増え、管理が追いつかなくなりがちです。ログ管理システムを導入すれば、ログの収集・保存・分析を自動化でき、業務の効率化と精度の向上が見込めます。
適切なログ管理は、セキュリティの強化や監査対応の質にも直結します。製品を比較したい方は、無料の資料請求をご活用ください。