VPNとは
VPN(Virtual Private Network)は、インターネット上に暗号化された専用の通信経路を構築する技術です。これにより、外部からの盗聴や改ざんを防ぎ、安全かつプライバシーを保ったデータ通信が可能になります。VPNは利用者の位置情報や接続履歴を保護し、公共ネットワーク上でも安心して利用できる環境を提供します。
VPNの利用がおすすめのシーン
VPNは、リモートワークや拠点間通信のほか、海外からのアクセスや情報規制下での利用など、さまざまなシーンで活用されています。以下のようなケースでは特に有効です。
- ■公共のWi-Fiを利用するとき
- 無料Wi-Fi環境でも通信内容を暗号化し、情報漏えいリスクを低減。
- ■離れた拠点間で通信を行うとき
- 本社と支社など、地理的に離れた拠点間でセキュアな通信を実現。
- ■規制のある国でインターネットに接続するとき
- 情報規制が厳しい国からでも、日本などの安全なサーバを経由してインターネットを利用可能。
- ■IP電話を安全に利用するとき
- IP電話の通信内容を暗号化し、盗聴や傍受リスクを軽減。
- ■クラウドサービスに安全にアクセスしたいとき
- クラウドストレージやグループウェアへの接続を暗号化し、外部からの不正アクセスを防止。
- ■社外から社内ネットワークにアクセスするとき
- テレワーク中の従業員が、安全に社内システムへ接続できる環境を確保。
- ■コンテンツの地域制限を回避したいとき
- 国や地域によって閲覧制限がある動画配信サービスやWebサイトへのアクセスを実現。
VPNの基本概要については、以下の記事でも詳しく解説しています。
VPNをお探しの方へ
この記事では、VPNを「通信速度・セキュリティ・コスト」の3タイプに分類して比較しています。各製品の機能や口コミは、比較表で一覧で確認するのもおすすめです。「すぐにツール選定に進みたい」という方は、以下のタイプから自社にあった製品情報をご覧ください。

▼おすすめ製品を一覧表で比較したい方はこちら!
【料金比較表】おすすめのVPN一覧
VPNのタイプ
ここでは、VPNのタイプごとの特徴を解説します。自社の課題やニーズを明確にしたうえで、最適なタイプを選定しましょう。
通信速度・安定性に強みをもつVPN
高速化に特化したプロトコルを採用し、低遅延で快適な接続が可能です。大規模なデータ転送にも対応できるよう、帯域幅に制限を設けていないサービスもあります。大容量データのやり取りやリアルタイムでの会議、動画ストリーミングなどに適しています。「動画配信やオンラインゲームなどリアルタイム性が求められる」「動画制作やデザインなど大容量データを扱っている」といった企業におすすめです。
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セキュリティ機能の充実したVPN
通信内容を徹底的に保護し、外部からの脅威を最小限に抑えることを目的としたタイプです。AES-256などの強力な暗号化技術を採用して通信を保護します。さらに、接続が途切れた際に情報漏えいを防ぐキルスイッチ機能や、ユーザーの利用履歴を記録しないノーログポリシーを採用している製品もあります。「機密性の高いデータを扱っている」「リモートワークを導入している」といった企業におすすめです。
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無料・低コストVPN
コストを抑えつつ、基本的なセキュリティ機能を備えたVPNです。無料のオープンソース製品や、無料プランを提供しているサービスも該当します。直感的な操作で初心者でも扱いやすい一方で、サーバの混雑やセキュリティ機能の制限といったデメリットがある場合も。「IT予算が限られている」「個人事業主や小規模なビジネスでの利用を想定している」といった企業におすすめです。
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【ITトレンド編集部調査】VPNサービスの傾向
この記事で紹介している主要VPN製品をもとに、ITトレンド編集部が共通点や特徴をまとめました。VPN選定時の参考としてご活用ください。
- ●エンタープライズ向けVPNは、セキュリティや拠点間通信の効率性を重視し、IP-VPNやSSL-VPNなどのプロトコルを採用する傾向がある。
- ●ほとんどのサービスが、Windows・MacOS・Linux・iOS・Androidといった主要なデバイスに対応している。
- ●一部製品では、日本を含む特定の国や地域に特化してサーバを設置している。
- ●最大同時接続数は、最小1台から無制限まで幅広く対応している。
- ●専用アプリを提供しているサービスは、全体の8割以上を占めている。
VPNの費用相場
VPNの料金体系は月額制が一般的で、契約形態・接続台数・セキュリティ機能などによって価格が異なります。
例えば、無料で利用できるオープンソースVPNから、月額数百円の個人・小規模事業者向けVPN、高度なセキュリティ機能を備えた月額1万円近いエンタープライズ向け製品まで、幅広い選択肢があります。
具体的な料金については、各社製品の資料を取り寄せて確認するのがおすすめです。以下のボタンから、無料で一括資料請求も可能ですので、ぜひご活用ください。
【料金比較表】おすすめのVPN一覧
ここからは、おすすめのVPNを紹介します。まずは、おすすめのVPNについて料金や特徴などを比較表にまとめました。
製品名 | 特徴 | 価格 | 対応機能 | レビュー評価 | |
---|---|---|---|---|---|
Clovernet | 2つのインターネットVPNサービスを提案 | ー | ー | この製品はまだ口コミが投稿されていません
| |
Cisco AnyConnect | 場所・端末・時間などを問わずネットワークにアクセスできる | ー | IPsec-VPN、SSL-VPN |
4.1
| |
SoftEther VPN | 筑波大学で研究開発された無料のVPNソフトウェア | 無料 | IP-VPN/IPsec-VPN/SSL-VPN/レイヤ2-VPN/国際ネットワーク |
4.0
| |
セカイVPN | 各国のIPアドレスでインターネットアクセス可能 | 初期費用無料 月額1,100円 | IP-VPN/IPsec-VPN/国際ネットワーク |
2.0
|
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
以下のボタンから、最新のランキング情報を確認できます。人気製品の傾向を把握したい方はぜひご参照ください。
▶おすすめのVPN(通信速度・安定性に強み)
まずは、通信速度に強みをもち、大容量のデータでも快適に接続できるVPNを紹介します。動画配信やオンラインゲーム、大規模データを扱う企業に最適です。
製品名 | 全体満足度 | 機能への満足度 | 価格 |
---|---|---|---|
Clovernet | ー | ー | お問い合わせください |
※レビュー評価は2025年3月11日時点における実数を表示しています。"ー"表記はまだレビュー投稿がありません。
Clovernet
- 貴社の要件に合わせてネットワークを構築「Clovernet Standard」
- 低コストで安心のVPNを実現「Clovernet クラウドネットワーク」
- 2つのサービスで貴社に最適なネットワークをご提案します
NECネクサソリューションズ株式会社が提供する「Clovernet」は、ゼロトラストのセキュリティモデルを実現する2種類の次世代型VPNサービスです。初期費用無料かつ低コストが特徴の「Clovernet クラウドネットワーク」は、構築が簡単で利用開始もスピーディー。クラウド上に設定情報を集約し一元管理が可能です。「Clovernet Standard」は、IPv6対応オフロード機能や多様なアクセス回線を備えており、要件にあわせたネットワークを構築できます。
【参考価格】お問い合わせください。
MillenVPN
アズポケット株式会社が提供する「MillenVPN」は、海外から日本のWebサービスや動画配信サービスに接続するのにおすすめです。法人でも利用できますが、複数アカウントが利用できる「MillenVPN専用サーバー」も提供しています。
【参考価格】月額396円~
ExpressVPN
Kape Technologies社提供の「ExpressVPN」は、世界105か国以上に高速サーバを展開するVPNサービスです。大容量データの送受信やWeb会議でも安定した通信を実現し、速度を重視する個人事業主に最適です。通信はAES-256による最高クラスの暗号化で保護され、安全性も確保されています。

▶おすすめのVPN(セキュリティ機能が充実)
強力な暗号化技術を採用し、セキュリティ対策に強みをもつVPNを紹介します。機密データの保護やリモートワーク環境の安全性を重視する企業におすすめです。
製品名 | 全体満足度 | 機能への満足度 | 価格 |
---|---|---|---|
Cisco AnyConnect | 4.1(232件) | 4.1 | お問い合わせください |
※レビュー評価は2025年3月11日時点における実数を表示しています。
Cisco AnyConnect
- どの場所からも、端末の種類も関係なしにリモートアクセス可能
- NW全体を可視化して、ログイン中のユーザーと端末の特定が可能
- 自動で継続的にエンドポイントポスチャの確認、修復ができる!
シスコシステムズ合同会社が提供する「Cisco AnyConnect」は、あらゆる場所やデバイスからのスムーズなリモートアクセスを実現するクラウドセキュリティです。ネットワーク全体を可視化し、ユーザーの動作や端末を詳細に把握できます。ほかのCisco製品と組み合わせることで、多要素認証やトラフィック管理などの柔軟な機能追加も可能です。
【参考価格】お問い合わせください。
NordVPN
株式会社ノードセキュリティジェーピーが提供する「NordVPN」は、高いセキュリティ性能と高速通信を兼ね備えたVPNサービスです。小規模企業や個人事業主向けで最大接続数が10台までです。法人利用向けには「NordLayer」を提供しています。
【参考価格】月額480円~
Surfshark for Teams
Surfshark B.V.が提供する「Surfshark for Teams」は、法人向けに設計されたVPNサービスです。100か国以上に設置された3,200台以上のサーバを活用し、高速で安定した接続が可能です。
【参考価格】月額288円~
▶おすすめのVPN(無料・低コスト)
ここからは予算が限られている企業向けに、低コストで利用可能なVPNを比較します。無料のオープンソース製品や無料プランを提供している製品なども紹介します。
製品名 | 全体満足度 | 機能への満足度 | 価格 |
---|---|---|---|
SoftEther VPN | 4.0(5件) | 3.4 | 無料 |
セカイVPN | 2.0(1件) | 2.0 | 初期費用無料、月額1,100円 |
※レビュー評価は2025年3月11日時点における実数を表示しています。
SoftEther VPN
- HTTPSベースの強固なVPNトンネルが構築可能!
- ハードウェアベンダーのVPN製品よりも安全なセキュリティ性!
- ソフトのインストールと導入後の管理が簡単!
ソフトイーサ株式会社が提供する「SoftEther VPN」は、無償利用が可能なオープンソースのVPNソフトウェアです。ファイアウォールやプロキシ環境でもHTTPSプロトコルを利用して柔軟に接続を構築できます。最大32本の並列通信で高速なデータ伝送を実現し、最新バージョンへのアップデートも容易です。
【参考価格】無料
セカイVPN
- 世界10か国ものサーバーを使ったVPNが使用可能!
- 最大2か月にもわたる無料トライアルで安心の利用スタート!
- 「セカイブラウザ」でVPNでも見れない国内サービスを利用!
株式会社インターリンクが提供する「セカイVPN」は、世界10か国のIPアドレスを利用できるVPNサービスです。海外限定コンテンツの視聴やセキュリティ強化をサポートし、専用ブラウザによりVPN非対応の国内サービスにも接続可能です。簡単設定の専用アプリや大容量データ転送サービス「ドデカメール」も利用できます。
【参考価格】初期費用無料、月額1,100円
TunnelBear
TunnelBear Inc.提供の「TunnelBear」は、カナダを拠点とするVPNサービスです。2GBまで無料、デバイス数は無制限で利用できます。スイッチのオンオフ切り替えだけで簡単にVPN接続が可能です。
【参考価格】月額$3.3~ ※無料プランあり
無料で利用できるVPNサービスについては、以下の記事で詳しく比較・紹介しています。あわせてご覧ください。
VPNの比較ポイント・選び方
ここでは、VPNを選ぶ際にチェックしておきたい比較ポイントをわかりやすく解説します。
VPNの種類
VPNにはさまざまな接続方式があり、利用用途や導入規模に応じた選定が重要です。例えば、小規模事業者にはインターネット回線を利用する「インターネットVPN」が適しており、手軽かつ低コストで導入できます。
一方、大企業や高いセキュリティが求められる環境では、専用線や閉域網を利用する「IP-VPN」が推奨されます。この方式はコストが高めですが、非常に堅牢な通信環境を構築できます。こうした特徴を踏まえ、事業規模や目的にあったVPNを選びましょう。
通信速度や安定性
VPNでは、通信時に暗号化処理が行われるため、通信速度に影響を及ぼすことがあります。サービスによっては、速度保証のない「ベストエフォート型」や、一定速度を保証する「ギャランティ型」が存在します。
コストとのバランスを考慮しつつ、安定した高速通信が可能なサービスを選ぶことが重要です。無料トライアルの活用や、実際のユーザーによる口コミも選定時の参考になります。
同時接続数
同時に接続できる端末数が、自社の利用規模に見合っているかを確認しましょう。例えば、小規模オフィスであれば数台の接続で十分な場合もありますが、リモートワークや複数拠点での利用が増える場合は、10台以上、あるいは無制限に接続できるVPNが適しています。
特にエンタープライズ向けのVPNでは、接続数の拡張性やユーザー管理機能の有無が重要な選定ポイントとなります。
サーバ設置国・台数
VPNを選ぶ際は、サービスがどの国や地域にサーバを設置しているかも重要な比較ポイントです。特に、海外限定のコンテンツへアクセスしたい場合や、国外拠点との通信がある企業では、対応国の広さが利便性に直結します。
また、サーバの設置台数が多ければ、利用者が集中しても混雑や接続遅延のリスクが抑えられます。安定運用を重視する場合は、サーバの分散状況や稼働率の信頼性にも注目しましょう。
ノーログポリシーの有無
VPNサービスには、ユーザーの接続履歴やIPアドレスなどのデータを記録するものもあります。こうしたログ情報が蓄積されると、万が一の情報流出リスクにつながる可能性があります
そのため、「ノーログポリシー(ログを一切記録しない方針)」を掲げているVPNを選ぶと安心です。特に、個人情報や機密データを扱う企業にとっては、ノーログの有無が信頼性を左右する大きな判断材料となります。
VPNの選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
有料VPNと無料VPNの違い
VPNには、有料サービスと無料サービスがありますが、どのような点が異なるでしょうか。ここでは、有料VPNと無料VPNの違いを整理します。
有料VPN | 無料VPN | |
---|---|---|
通信の品質 | 高速・安定 | 不安定・遅い場合がある |
通信量 | 制限なし | 制限あり |
同時接続数 | 複数~無制限 | 1台 |
セキュリティ性能 | 高い | 低い |
サーバ拠点数 | 多い | 少ない |
企業では、個人情報や機密情報を取り扱うケースも多いため、セキュリティレベルの高い有料VPNを選ぶのが安心です。また、有料サービスの多くはサポート体制が充実しており、トラブル時の対応にも優れています。
コストはかかりますが、長期的な安全性や業務効率を考えると、有料VPNを導入する価値は十分にあります。
VPNを利用する際の注意点
VPNはセキュリティ強化や通信の匿名性確保に有効ですが、利用にあたってはいくつか注意すべき点があります。
- ■無料VPNのリスクに注意
- 無料VPNの中には、通信内容を収集・販売する悪質なサービスも存在します。業務での利用や個人情報を扱う場合は、信頼性の高い有料VPNを選びましょう。
- ■速度低下の可能性
- VPN経由の通信は暗号化処理が加わるため、通常より速度が低下する可能性があります。高速接続が求められる用途では、速度重視のVPNを選定するか、トライアルで事前に検証しましょう。
- ■接続できないWebサービスがある
- 一部のWebサービスでは、VPN経由のアクセスを制限している場合があります。業務で必要なツールがVPN環境下で問題なく使えるかを事前に確認することが重要です。
VPNは正しく選び、ルールを守って利用することで、安全で快適なインターネット環境が実現できます。
以下の記事では、VPNのメリット・デメリットについて詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
VPNに関するよくある質問
VPNの導入を検討するなかで、「本当に安全なの?」「スマホでも使える?」といった疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。ここでは、VPNに関してよくある質問をまとめて解説します。利用前に気になるポイントを確認し、不安や疑問を解消しておきましょう。
- ■Q1.VPNは安全ですか?
- 信頼性の高いプロバイダが提供するVPNであれば、通信内容は暗号化され、一定の安全性が確保されます。ただし、無料VPNや無名サービスの中には安全性が担保されていない場合もあるため注意が必要です。
- ■Q2.スマートフォンでもVPNは使えますか?
- 多くのVPNサービスはiOSやAndroidなどスマートフォンにも対応しており、専用アプリから簡単に接続できます。外出先で公共Wi-Fiを利用する際のセキュリティ対策として有効です。
- ■Q3.VPNは合法ですか?
- 日本を含む多くの国ではVPNの利用は合法です。ただし、一部の国(例:中国、ロシアなど)では制限や登録制があるため、海外利用時には現地の規制を確認しましょう。

まとめ
VPNの導入により、安全性の高い環境を構築できます。セキュリティ強度やサポート体制、端末への対応を確認して製品を比較しましょう。ITトレンドでは、さまざまなVPN製品を取り扱っています。以下のボタンから、この記事で紹介した製品の一括資料請求(無料)が可能です。ぜひご利用ください。